MONSTER 13巻『大人になったら面白いマンガ』

 

Monster (13) (ビッグコミックス)

Monster (13) (ビッグコミックス)

 

 

  若き刑事スークの葛藤

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  『ささやかな幸せを壊してでも冷徹に真実をえぐり出さなきゃならない!』とルンゲは言う。そのように生きた結果、彼のささやかな幸せ(家庭)は実際にこわれてしまったのだが・・・。この純粋な青年刑事、スークは刑事としての道を歩くのだろうか・・・・?

 

 『怪物のラブレター』より

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 これは、『なまえのないかいぶつ』を書いた作者、フランツ・ボナパルタ がヨハンの母親に書いたラブレターである。『君のすべてを食い尽すために見ていた』何というロコツな書き出しのラブレターだろうか。しかし人は何かに夢中になるとそういう行動をとるものである。面白いマンガを見つけると貪るように読み、おいしいラーメン屋を見つけるために全国のラーメン屋を訪ねたり、文字通り食い尽すようにそればかりやるようになる。『だが逆に君のすべてが私を浸食した』そして、結果はこのようになる。

自分のものにするどころか逆に強い影響を受け、むしろとりこまれるようになる。たとえばこのルンゲ警部もそうだ。刑事として生きるうちに自分自身が脅かされていくようになっていくことに本人も少しずつ気づいていく・・・・。

 

弁護士、ヴァーデマンの葛藤

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 人は自分が愛したもののために人生をくるわされるのである。それはこのヴァーデマン弁護士の言う通り信じるからである。自分が信じた事が真実でなければならない、と。父親の無実を信じ、それが真実だと証明する・・・・それが彼の生きる道であり、だから彼は弁護士なのである。これも今までと同じテーマを、別のバージョンで繰り返している話である。彼は弁護士であり、自分をそういう自分たらしめた理由、そのために戦い、生きているのである。彼は冤罪を憎み、冤罪のない世界があるべき世界なのである。  

   変わりゆくエヴァ・・・

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  公園を散歩するうちにテンマの作ってくれたサンドイッチを台無しにしたことを

思い出したエヴァ。当時の頃の若いエヴァはおそらく高級レストランなどでデートがしたかったのだろう。『公園でデートをしながらランチをしよう』というテンマの申し出を露骨にイヤがる・・・。もはやテンマは彼女のそばにはいないのだが、見知らぬ少年に差し出されたサンドイッチを礼を言って受け取るエヴァは・・・以前とは変わって来ている。

 

  エヴァの葛藤

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こんな調子だったのに・・・