MONSTER 『大人になったら面白いマンガ』
MONSTER・1巻(全18巻)
小分けに紹介した方がいい、というアドバイスを受けたため、今回から一巻ずつ紹介していこうと思う。また元に戻るかどうかはわからないので悪しからず。
それでは今日は『MONSTER』の1巻から。
この話は私のマンガ史上の最高傑作である。この話を発見した時は『今までマンガを読んできた甲斐があった・・・』と自分が描いたわけでもないのに、意味不明な満足感をおぼえたものである。
この話は、何と言っても完成度がすばらしい。あまり重箱のスミをつつくようにマンガを読みたくないとは思うのだが、結局どうしてもリアリティのなさや、話が矛盾している部分などは不満を抱くようになってしまうのである。深いテーマ、キャラの面白さ、本筋とは関係のない小話、アクション、深いいセリフ、そのどれもが見事といえる出来である。今までのマンガに抱いていた不満が一気に晴れたような気さえするのだ。
話の筋自体は一種のサスペンスのようなものである。主人公は大変人の良い医者で、自分の出世を棒にふってまで助けた男が稀代の連続殺人犯だったという話で、とりかえしのつかないことをしてしまったと思うようになっていく医者はもう一度男を殺すために後を追う話である。
題名にある『MONSTER』こそはこの殺人犯のことなのだが、この話のテーマでもある。『いろいろな人がいろいろな事を言ってくるけど、 正解は今のところない』と言っている。そして最後まではっきりとは描かれないのである。しかし正解がわかっている私は(ーー)フッ ここで紹介がてら書いていこうと思っている。
ここで作中の名ゼリフ
命は平等だ、と言った直後に死んだ方がマシだ、と言ってしまう矛盾に最初のうちは読者も本人も気づかないのだがこれがこの話のテーマの1つである。これは最終巻を読めば完全に理解できるエピソードになっている。
もう1つのまったくちがう雰囲気のシーンだがほとんど同じ内容のこちらも。
この名シーン、3ページにわたる物なので上を最初はとりあげたのだが、続けて読めばこちらの方がよりいいものかもしれない。
この話の本筋は2巻から始まっているのでこの1巻はプロローグのようなものなのだが、最終巻を読む事によって『これがやりたかったのかー!』と思うようになり、いかにこの話が気合いを入れてよく作られた話しかを改めて感じさせられる。
この顔にピンと来たら110番・・・・。