MONSTER 16巻『大人になったら面白いマンガ』

 

Monster (16) (ビッグコミックス)

Monster (16) (ビッグコミックス)

 

   

    真面目な人・・・?

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    子供のころからこんなだったヨハン・・・

 

  人は誰でもこういうところがあるのではなかろうか・・・。だからといってそのまま実際に殺しにはいかないだろうが。自分にとって『本当の悪』と思える人がいて、実際に争いになったらこうなるのかもしれないの。『おれはもともと正しい考えの持ち主さ』『おれの正しさがあんたらにわからないだけさ』と彼は言う。「悪事と思って悪事を行う者などいない。」とは実際の連続殺人犯のセリフだが。

 

『汚い言葉を吐き続けるアル中の若造。料金を自分の体で払おうとした売春婦。他人の悪口をまくしたてる化粧臭いババア。・・・奴らみんなクズだ。だから殺した。』

 

 殺人はいいのか?と聞きたくもなるが。

 

    吸血鬼と宇宙人・・・?

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 いくらヨハンがモンスターとは言え、彼が吸血鬼で同時に宇宙人であるはずがない。ただそう思わせただけだろう。この二人の連続殺人犯は一番最初の連続殺人犯よりもさらに妙な主張をしている。彼らが誰にも共感しもされもせず、孤独な人生を送ってきたことは間違いないだろう。彼らがなぜ自分を吸血鬼や宇宙人と思ったのかは何も語られてないので不明だが、彼らは周りの人間に共感できないあまり、自分を人間ではない存在と思ったのかもしれない。

 

  しかし、彼らの主張は一見したものほどわかりにくいものではない。

むしろいかにも人間的な主張といえる。単に、自分の理想の人間に出会ったのだと考えればわかりやすい。自分の目指す理想の存在がいて、その存在が自分の事を理解してくれて言いたかったことを言ってくれる・・・。その時、全てがリアルに見えてもう孤独ではない、と感じる。こんなことが起こればほとんどの人が喜ぶだろう。一番最初の連続殺人犯の男も、『そんな人たちいらないよ。』と言われた時『解放された』と言っている。自分の本音を誰かに言い当てられた時、人は『やっぱりそうみんなも思ってるんだ。自分は正しいんだ。』と思うものだ。