『項羽と劉邦』横山光輝のもう1つの傑作

 

この巻が私は一番好きで面白いと思っている。

劉邦を放っておけば、項羽のライバルになるに違いないと思った范増(はんぞう)は劉邦を今のうちに殺しておこうとあの手この手をめぐらしていく・・・。

 

   宴会の席で

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 劉邦の命をねらうために、宴会の席で剣舞と称して、劉邦を殺そうと近づく項荘(こうそう)・・・・くつろげない宴会だこと・・・。

 

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 しかし、このような工作をいくつもするにもかかわらず、結局劉邦は殺せずじまいだった・・・。范増は劉邦を殺す気満々なのだが、肝心の項羽の方にその気があまりないのである。項羽劉邦など百姓上がりの小役人、と完全に見くびっているのだ。

 

  怒る范増

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 劉邦を殺せ!と何度言っても真剣に取り合おうとしない項羽についに范増は堪忍袋の緒が切れる。これでは、自分がいろいろな作戦を考え、苦労したところでムダになってしまうと主張してもイマイチ項羽には通じない・・・。

 

 しかし、項羽は中年に見えるためについ誤解してしまうが彼はまだ二十代半ばなのである(四十代くらいにみえるが・・)酸いも甘いも噛み分けた七十代の范増とはわけがちがうのである・・・。