ヤヌスの鏡・2巻
- 作者: 宮脇明子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/10/15
- メディア: 文庫
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おとなしいヒロミちゃんとちがって、やりたい放題のユミは敵も多く、いろいろなところでもめごとを起こす。
ところで、現実の多重人格の人もたいていこういうパターンが多いらしい。すごくマジメな人格と、すごくやんちゃな人格というパターンになりやすいようだ。やはりジキルとハイドなのだろうか・・・。
まさにヒロミと正反対
P26
ちょっと『えっ?』と思ってしまったこのページ。
『あのおびえた目をしているときでさえも許しはしない』というセリフがあるが、それではまるで許さない、と思っているのはヒロミであるかのようだ。このユミというキャラはとても意味深なセリフをよく言うのだが・・・。
ヒロミの父が死んだ事を笑うおばあちゃん
P155
ヒロミの母が死んだのもそもそもヒロミの父のせい、とおばあちゃんは信じていた。 『お前の母親はあの男にだまされたんだ』と言い、『お前の父親は鬼だよ』と言う。そしてヒロミの父が死んだ事を知ると『天罰が下ったんだ』と笑うが、このとき初めてヒロミはおばあちゃんに強い怒りを抱く。
ある少年に「好き」と言われるが
P275
私はこの話を学生のころ、本屋で立ち読みをして知ったのだが。あまりに引き込まれてしまったので、毎回立ち読みをしていたのだ!買えよ、と思うかもしれないが、単行本は本屋にはなかったのだ。
このページが、この話で最も印象に残っている。
人は真実を見ているのではなく、自分の願望を見ている、というユミ。そして『わたし自身が夢』『ならば生まれてきたことも夢』・・・・とまで言うが・・・。
ユミが好きな少年、達郎(たつろう)は
P320
この少年、達郎(たつろう)くんは、ユミのことが好きなのだが、自分のジャマをさせないためには、人殺しも辞さないユミが怖くもなってくる。小さいコマで見づらいが、ユミと争うはめになった暴走族のレディースの女性といっしょに車に乗っていた少年は、ここでうまく事故に持ち込めばユミの敵である彼女を葬ってしまえるのでは・・・と魔が差してしまう。