エリア88・3巻・新谷かおるのマイベスト
新谷かおるの話はいろいろ読んでいるのだけど、私はイマイチ・・・と思っていた。以前に紹介した山岸凉子のように、話がイマイチだと思うんだけど、やけに評価が高いなあ・・・と思っていた。しかしこの『エリア88』を読んで、あ〜そういうことか〜、と思った。
いつも新谷かおる作品への不満の1つに、キャラの問題があった。社会派のような話を描く人は人間心理などのツッコミが甘い、と思う事がある。しかしこの話のキャラはどの立ち位置の人間もなかなかしっかりと描かれていて、どのキャラの性格もあまりムリも感じられない。
そして題名もいい。これほどドラマチックな長編にシンプルに渋く基地名をつける、というのはなかなかいいセンスだと思う。一度聞くと忘れにくい題名だし。
あと世界をまたにかけた戦争マンガってあまりない気がするのだ。私が知らないだけかもしれないが。
かつてのシンと涼子
P28
シンは孤児院で育っていて、両親を知らないのだが、このシーンは伏線でシンの出生が神崎の出生と関わっており、それがシンが裏切られた理由なのだが、シン自身は何も知らない・・・。
着々と野望をすすめる神崎悟(かんざき・さとる)
P58
涼子の父親は大和航空(やまとこうくう)という会社の社長であり、神崎はそこのパイロットなのだが、自分が会社を乗っ取って社長となろうとする野望を着々と進めていく。そして彼はあっさりと社長の座を手に入れてしまう・・・。
リシャール王子はこんな大人になりました
P186
サキ王子とは敵同士になってしまったものの、誰からも愛されるやさしいリシャール王子。『王制を廃止して権利を国民に・・・』と自分の立場を否定する事まで言うが、『国民がアンタたちに死ねと言ったらどうする?』というミッキーの言葉に『この首1つで死んでいったものへのなぐさめになるならカンタンなこと・・・』と彼らしい答えをかえす。
新しい敵、死の商人ファリーナ
P294
エリア88の新しい敵、武器商人のファリーナ。
何と滑走路を自前で動かしている。そのために基地などをもつ必要がなく戦闘機を飛ばす事が出来るのである。
そして飛ばした後は、砂の中にかくれるために、敵からも見つけられない、という戦略である。
ホントにこういうのってあるんかな〜と思ってしまったが。武器にはゼンゼンくわしくないので全くわからない・・・。