『砂の器』推理小説のマイベストは今も昔も松本清張

松本清張の一番の感動作といえば、この『砂の器』だろう。

 

 以前にも書いた通り、松本清張は不遇の子供時代を過ごしたために人に対する見方が暗く、悲劇の人間ドラマを書くのがとてもうまく、推理トリックもの、というだけでない魅力が作品にあるのである。

 

 これは、ある元刑事が殺されたところから話が始まる。しかし殺害された元刑事は、非常に人がよく、誰からも愛される刑事で殺された理由がまったくわからない、というところから始まる。

 

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

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砂の器(下) (新潮文庫)

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砂の器 [DVD]

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  ところでこの話は、小説よりも映画の方をおすすめする。これはめずらしいことだがたまに起こることだ。だいたい原作の方が出来はいいものなのだが。

 

 やはりそれには音楽の力がある。話の中には音楽家が出てくるのだが、小説はどんなに出来は良くても音は出てこない。しかし映画だと犯人がなぜ殺人を起こすようになったのかということを盛り上がる音楽とともに流れる悲惨な描写を観ているうちに観客が自然と理解するようになってくるのだ。

 

  何と中居くんで『砂の器』のドラマが再現されているらしい。今発見したので、何ともいえないが、レビューを見る限り評判はいい。