エリア88・13巻・新谷かおるのマイベスト

 

エリア88 (13) (MFコミックス―フラッパーシリーズ)

エリア88 (13) (MFコミックス―フラッパーシリーズ)

 

 ついに最終巻である。

 色々と敵の多いカンザキは『あと2日でタンドリアを落とせなければ援助を打ち切る』と言われる。ヨーロッパごと手に入れようとしているカンザキが考えている事のすごさを思えば、もう数日くらい延長しても良さそうな気もするのだが・・・。

 

  そしてプロジェクト4も苦しくなってくる

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  力ずくでアスラン政府を手に入れたプロジェクト4だったが、それに不満を持つアスラン国内でプロジェクト4に対するクーデターが始まる。

そして涼子はプロジェクト4を援助する会社などに圧力をかけ、プロジェクト4に対する資金援助を打ち切るように働きかけていく。

 

 グレッグの最期

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  グレッグをほとんど紹介出来ないままで紹介したとたんにこんなシーンになってしまうのは心苦しいが。

 

  これはいかにも昔のマンガらしい名シーンだと思う。今のマンガ家はこういうシーンを描けなくなってきている気がする。悲惨すぎて。でもそれは良くない気もする。新谷かおるは少し前に『砂の薔薇』というちょっと似たような戦闘物を完結させたのだが、主要キャラが誰も死なない、という終わり方にちょっと不自然感を感じたものだ。最もこの話は少し死にすぎてそれもまた不自然な気はするのだが・・・。

 

 そしてそれは時代の流れが大きく関係している気がする。今のマンガの物語はおおむね平和で日常的な幸せがテーマになるために、終わり方がかなり予想できるハッピーエンドというものが定番になってきて『あしたのジョー』や『ベルサイユのバラ』そしてこの『エリア88』のようなラストはとんとお目にかからなくなった。別に悲惨に終わってほしいわけではないのだが、ハッピーエンドにしろバッドエンドにしろ何か物語としての必然性があってほしいと思う。

 

   ラウンデル少佐の最期

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 サキを追うために自らも愛機にのって飛び立つが、ちょうどそこに空母に向かってミサイルが飛んでくる。ラウンデルは空母を守るために自ら愛機とともにミサイルの前に立ちはだかる。そして彼はそのまま還らぬ人となってしまう。

 

 ラウンデル少佐も好きなキャラなのに、紹介したとたんにラストになってしまって残念だ。

 

  ついに宿敵、カンザキとの対決!

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 ついに対決するカンザキとシン!

まさに男の決闘!といった感じのシーンになっている。

ここまでくると、意外とカンザキを主人公にしても面白かったかな、などと思ったりもするが。 

 

 しかし私が驚いたのはラストシーンだった。

新しい命が誕生して感動!というのではゼンゼンないこのラスト!

正直、『何て不吉なラストシーンなんだ・・・』と思ってしまった。

いや、確かに脇役にも人生があるよね、と思いつつもよくこんな終わりかたにしたな、と思ってしまう。

 この作者ならばドラマチックな終わり方をそのまま持ってくるだろうと思っただけに・・・・・あまりにも意外なエンドだった。