秘密・8巻・清水玲子の最高傑作・ネタバレあり
あいかわらずややこしい展開の話である。
なぜか清水玲子の話は、2つの事件がからむ話が多いのだが、今回は3つもの事件がからみあっている。
地震の時に死んだ3人・・・
p83
ほかのところでは死亡者が出なかったのに、1つの学校の中で3人もの死者が出る・・・。そして最後の1人は明らかに殺されていた事がわかる。一体、何が起きていたのか・・・
屋上から落ちて死んだ少年の脳の画像には・・・
P109
殺人現場を見た少年だったが・・・・。何と少年の脳に映った人間は幽霊のようにうっすらとしか見えなかった。そのため殺人現場が映っているにもかかわらず、誰が犯人かわからない・・・。
新しく入ってきた山本さんが重大なヒントを
P216
ケータイ電話を目の代わりに使う・・・。それを聞いた青木くんは少年のケータイに殺人現場が映されているのでは、と思う。
そこから青木くんは犯人をおびきだすアイディアを思いつく。
今回、新しいキャラとして『山本』さんという人が入ってくる。いけすかないオッサンという感じに描かれているが、実はいい人だったりする。『第九』の職員はみんななぜか超いい人たちばかりである。
おとり捜査をする薪(まき)刑事
P236
いじめられていた少年のケータイは彼のカバンにあった・・・がしかし!いじめっ子のこの少年は彼のカバンを隠していた事が本人の墓穴をほる。
事件が起きてしまい、盗んだカバンをどうにもできなくなったいじめっ子は、『落とし物』として交番に届ける。
犯人は、ケータイを手に入れようと少年に働きかけ、再び交番に足を運ばせるが、そこに待っていたのは、変装した薪刑事と、第九の捜査員たちだった・・・。
いじめ問題、というのはマンガではよく扱われるものだが、テーマというよりネタになってしまいがちなマンガが非常に多くて残念な中、やはりこの作者はさすがである。いじめられっ子の死体の写真を犯人にみせ、いじめが「よくわかるひどい写真」と薪は言う。
『誰もいじめられっ子の少年に駆け寄ったり、抱きしめたりした形跡がない、現場が踏み荒らされた後がまるでない』『きれいすぎる現場』にこの少年の日常を察し犯人に怒りをぶつける。そして犯人に『今度こそ何をすべきかよく考えて』と告げ、子供の前で逮捕する事をさけ、犯人を解放する。
ところで、全くしかたのない事だがこの話は近未来の設定になっているが、たぶんこの二つ折りのケータイはもう、なくなっているのではなかろうか・・・・。