秘密・7巻・清水玲子の最高傑作・ネタバレあり
まちがいなく今回の話がこのシリーズの最高傑作だろう。
私は3巻を読んだとき、『この話以上のものはもう出ないだろうな』と思ったものだが、この『秘密』では予想が裏切られっぱなしである。
全巻買うのはちょっと、と思っている人には2巻、3巻7巻がおすすめである。
誘拐された大臣の娘
P16
誘拐され、気がついた時には、コンテナの中に閉じ込められ、船とともに、海へ出航されてしまう少女。
大臣への復讐
P60
家族を拉致された事件を当時の大臣はあつかっていた。しかし国家間の摩擦を危惧したために、捜索は途中でやめられてしまう・・・・。犯人は当時の捜索を打ち切られた遺族だった・・・・。
P86
誘拐され、コンテナに運び込まれたのは大臣の娘ではなかったことが判明・・・果たしてこの少女は何者なのか・・・・?
P135
船に乗っているのは、自分の娘ではないと知ると、追跡をやめるように命じる大臣。
自分一人でも『少女』を助けに行くと青木くんは言う。
P156
大臣の娘であろうとなかろうと助けるべき、と主張する青木くん。
今回はいろいろな人がそれぞれの思惑で活躍するところも非常にいい。薪は怒りながらも『もう第九から殉職者は出さん!』と青木くんを精一杯サポートしてくれる。そして青木くんがヘリを飛ばして少女を助けに行くところも見所になっている。
大臣vs犯人
P184
依然として大臣の娘、千堂咲(せんどう・さき)の行方はわからず、大臣は犯人に土下座して以前の事を謝るが、この非常に頭がよく執念深い犯人は、知りたければ自分を殺して脳みそを見るほかはない、とばかりに自分の頭を指さす。
しかしそれこそが犯人の本当の目的だった・・・・!
『自分の子供でなければそこまでして助けようと思わない』という大臣の気持ちもわからなくはないけどね、と私などは感じていたのだが、読み進むにつれてだんだんそうは思えなくなっていく自分に気づいてドキドキした。マンガでこんなライブ感を味わおうとは・・・・!
青木くんのいう通り『他人じゃない。誰だって誰かの大切な人。』なのだ。もう少し大臣を読者に共感できるキャラにすると文句なしなのだが・・・。というのも、『他人の子よりも自分の子』というのはかなり多くの人が当然のように思うだろう。つまり多くの人は本音では大臣よりではないだろうか。しかし読者のほとんどはそうは思わないだろう。この断絶感が私は個人的に歯がゆい・・・・!現実にその場にいたら青木くんみたいに助けに行くか?と言われれば、ほとんどの人は行かないだろう。
それにしても青木くんはすごい・・・。
行動力、ひらめき、正義感とスーパー刑事薪に勝るとも劣らないのだが、この人、まるでアホみたいに扱われているのだ・・・。
最後のドンデン返しを読むと、うむ〜っとうならざるを得ない。『他人の子を見捨てるのは結局、自分の子を見捨てるのと同じ』と誰もが感じざるを得ないだろう。ここをネタバレするのはさすがにアレなので、クライマックスはぜひ本編で。