ギャラリーフェイク『罠』

 

 

 私がこの話が好きなのは必ずしもテーマが1つでないからである。たとえば探偵ものでは毎回殺人が起きて不自然だし、恋愛ものでは毎回主人公に恋する相手が出て来てやはり不自然だ。

 

 それは作者の得意なテーマがだいたい1つしかないからである。

推理なら推理、恋愛なら恋愛と、しかし人の人生は多くのテーマと関わっていて決して1つだけで何とかなるものではない。

 

 この話の魅力の1つは、美術が出て来たと思うと、窃盗団や修復技術、法律や社会問題と次々思いがけない展開で関わって来て、それらが作者の博識によって予測できない面白さが作られている事にもある。

 

 実直な仕事人、運送会社の社長。

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何やら悪人顔の男が・・・・

 

 

 

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 この悪人顔の男、菱沼(ひしぬま)は顔が示す通りの怪しい道を歩いていた。しかしフジタは贋作屋としてのかつての師匠の頼みを無下に出来ず、怪しげな注文と知りつつ引き受ける。

 

件の社長は菱沼と確執があった

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 件の社長にニセモノを見破られ、画商を続けられなくなった菱沼。そして逆恨みをされるハメになってしまった・・・。

 

仕組まれた事故

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道路に木材を転がされ、思わず急ブレーキをかける社員。

本来ならば美術品にキズができるようなゆれではなかったが、そこはフジタの仕組まれた細工によってちょっとのゆれでも絵に剥落(はくらく)が出来るようになっていた・・・。

 

だが!!

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菱沼の罠にかかったことを知る社長だったが、どうにもならなかった・・・。しかしそこへサラが現れる。

全てを知るフジタは二重に手を打っていた。そこに用意されていたのは台帳のフェイクだった・・・。